荷物が宅配ボックスに届いている事を知った俺は、部屋に戻ったばかりの体を翻してマンションの一階まで降りていった。

 不在票を片手に、ボックスのナンバーと四桁の数字を確認する。

 手際良く扉を開けると、ちょうど小脇に抱えられるぐらいの段ボール箱が入っていた。

 それを片手に再び部屋へと戻る。

 テーブルの上に置いた段ボール箱を前に、まずは伝票を確認する。

 差出人の情報はなし。

 中身については"生モノ"とだけ記載があった。

 生モノ?

 という事は食べ物か何かだろうか。

 それにしても、そんな物を送ったなんて連絡は誰からも来ていない。

 食べ物なら賞味期限とかもあるだろうし、一応送った事の連絡ぐらいはあってもいいのに。

 思い当たる節がないまま、こうして段ボール箱と睨めっこをしていても仕方がないので、俺はとりあえず中身を確認する事にした。

 ちょっと雑に目貼りされたガムテープを、そばにあったハサミで裂いていく。

 ジジジ……と布ガムテープ特有の裂ける音が鳴って、ぱっくりと開いた口の部分を開いた。

 中にはもう一つ、発泡スチロールの小さな箱が入っていた。

 随分と面倒な事をするんだなと思いつつも、同じようにハサミで封を切る。

 中身は何かと少し期待しながら蓋を開けると、そんな俺の気持ちに反して、中には奇妙なものが入っていた。