いきなり机を叩かれるから、びっくりした。

……学校ではスイッチ入れ替えよう。

……大丈夫、私なら出来る。


他の人に迷惑かけるの、良くないし。

…忘れるんだ。学校にいる間だけでも、悠希のことは……。



「おい、聞いてるか?」


「は、はい!」


狩口君(だったはず)が、呆れた顔で私の顔を覗き込む。


いけない。
今は会話に集中しないと……。


「ごめん、ぼーっとしてた!」

「具合悪いなら保健室行けよ?」

「だ、大丈夫!で、何の話だったっけ?」

「学級委員になったら毎週金曜は定例会があるから、忘れんなよって話」

「毎週金曜に定例会があるのね、わかった、覚えとく!」

忘れないよう、急いでメモを取る。

「……あとさ、」

「狩口!」


狩口君の言葉は後方の男子の声で遮られた。


「まだ、何か覚えておく事ある?」

メモの用意をする私。



「……いや、それだけ。」


狩口君はそう言うと向きを変え、声の主であろう男子のもとへと向かって行った。





「………何か言いかけた気がしたんだけどな」


私は首を傾げながら、学級委員 狩口君、と忘れないようにメモをした。