「おーい!」
突如、自分の机を叩かれた。
「は、はい!!」
また先生に注意されると身構えていると、意外にも目の前に居たのはクラスメイトの男の子だった。
「?????」
状況の理解が追いつかず悩んでいると、
「やっぱり聞いてなかったか……」
クラスメイトの男の子は呆れながら状況を説明してくれた。
「さっきの委員会決めで、お前は話聞いてないから、先生が勝手に学級委員長に任命した。今は委員会同士の顔合わせ。俺も学級委員長になったから顔合わせに来た。」
……なるほど。
私が空を見ている間に話は委員会決めまで進んでいたようだ。
まぁ同じ委員会なら、これから関わりが多くなるし、一応挨拶しなきゃ。
……頑張れ。笑顔で挨拶するんだ。
「ごめんね、ありがとう。お互い学級委員長として、これから頑張ろうね。」
「私の名前は…」
「いや、名前はあれだけ先生に連呼されればわかるから。柳沢さん。」
……自己紹介を遮られてしまった。
…そんなに呼ばれてたのかな。
「えっと……。」
自分の名前は知られていても、相手の名前はわからない。
慌てて黒板を見る。
「…俺は狩口 拓哉(かりぐち たくや)。」
「これからよろしく。」
自分の名前は覚えられていないと悟ったらしい。
私は恥ずかしい思いをしながら、差し伸べられた手と握手を交わした。
