身長差43センチのふたり。




もうちょっと高遠くんの背中に触れていたいな、という想いは非情にも、高遠くんの大きい歩幅で保健室に到着した。


ガラッ

『失礼しまーす…。あれ、先生いない?』


明かりのついた保健室は、独特の匂いを立ち込めつつも、ガランとしていて養護教諭は不在だった。

当番でいるはずの保健委員もいない。


『どうする?手当。』


医薬品が置かれているガラスのショーケースの前にあった椅子に降ろしてもらう。

先生いないけど……テーピングしちゃおう。


「大丈夫だよ。私自分でできるから。」

『え?そうなの?』

「うん。」


中学時代はケガなんてしょっちゅうで、自分でテーピングくらいはやってたから大丈夫。

先生の机の上にあったテーピング用のテープに手を伸ばして、上靴と靴下を脱いで慣れた手つきでテーピングを始めた。