『ナイスッ、雛乃!』
まず最初に得点を入れることができて、華ちゃんとハイタッチ。
コートサイドにいるクラスの皆の声援も少し大きくなった。
ピッ
試合再開のホイッスルが鳴り響き、相手チームのサーブから始まった。
中学以来、バトミントンを体育以外ではやったことがなかったから、後方で動けるか不安だったけど、3年間中学で鍛え上げられていたからか、試合が始まると自然と体が動いた。
私の上方に高く上げられたシャトルは、私の得意技のスマッシュで相手コートに打ち込まれ、得点差を開いていく。
ピピーッ
『よっしゃーーっ!』
試合終了後。
華ちゃんの足を引っ張らずに試合に勝てたことに安堵して、コートに落ちていたシャトルをラケットで取っていると、雄たけびを上げた華ちゃんが私に抱き着いてきた。
「やったね、華ちゃん!」
『さすが、雛乃!次も頑張ろーーっ!』
嬉しさのあまり、飛び切りの笑顔を見せる華ちゃんを見上げながら、私も勝利の喜びを噛みしめた。

