身長差43センチのふたり。




『だって、中学バトミントン部でしょ?』

「そっ、そうだけど!」

『雛乃ならいけるって♪』


何がいけるの!

何の根拠もない華ちゃんの励ましにツッコんでいると、試合開始の挨拶を告げるホイッスルが鳴った。

試合相手は隣のクラス。華ちゃんの情報によると、バトミントン経験者ではないらしい。


「『よろしくお願いします。』」


ネットを挟んで軽い挨拶を交わした私たちは、定位置に立つ。


ピーッ


その瞬間、試合開始のホイッスルが鳴り響いた。


―――シュッ

バトミントン独特のシャトルがラケットに当たる音が鳴り響く。


『――雛乃!』

「はいっ!」


後方にいる私の真上に飛んできたシャトル目掛けて、ラケットを振り下ろす。


シュッ――コツッ


私のスマッシュによって飛んで行ったシャトルは、相手コートのラインギリギリに落ちた。