『だって、中学バトミントン部でしょ?』
「そっ、そうだけど!」
『雛乃ならいけるって♪』
何がいけるの!
何の根拠もない華ちゃんの励ましにツッコんでいると、試合開始の挨拶を告げるホイッスルが鳴った。
試合相手は隣のクラス。華ちゃんの情報によると、バトミントン経験者ではないらしい。
「『よろしくお願いします。』」
ネットを挟んで軽い挨拶を交わした私たちは、定位置に立つ。
ピーッ
その瞬間、試合開始のホイッスルが鳴り響いた。
―――シュッ
バトミントン独特のシャトルがラケットに当たる音が鳴り響く。
『――雛乃!』
「はいっ!」
後方にいる私の真上に飛んできたシャトル目掛けて、ラケットを振り下ろす。
シュッ――コツッ
私のスマッシュによって飛んで行ったシャトルは、相手コートのラインギリギリに落ちた。

