身長差43センチのふたり。




――クラスマッチ当日。


『雛乃!気合い入れていくわよ!!』


朝から、体操着を身にまとった華ちゃんは、とても威勢がいい。

私と華ちゃんが出る試合が始まる5分前。

コート横には、クラスの皆。


「はっ、恥ずかしいよー…!」


気合十分にストレッチをしている華ちゃんに、私は今の心境を小声で訴える。

こんなに注目されるなんて、思ってなかった。

それに……

チラッとコート横に目をやると、そこには久松くんと談笑している高遠くんの姿が。

高遠くんに見られながらなんて、恥ずかしすぎます。


『何言ってんのよ!恥ずかしさなんてね、試合始まったら飛んでくから!』

「そうかなぁ…。」


そうよ!と言いながらピョンピョン跳ねる華ちゃん。


『雛乃、後方よろしくね!』

「えっ、私が!?」


私もストレッチくらいはしておこうと、軽く体を動かしていると、華ちゃんから後方を命じられた。