――クラスマッチ当日。
『雛乃!気合い入れていくわよ!!』
朝から、体操着を身にまとった華ちゃんは、とても威勢がいい。
私と華ちゃんが出る試合が始まる5分前。
コート横には、クラスの皆。
「はっ、恥ずかしいよー…!」
気合十分にストレッチをしている華ちゃんに、私は今の心境を小声で訴える。
こんなに注目されるなんて、思ってなかった。
それに……
チラッとコート横に目をやると、そこには久松くんと談笑している高遠くんの姿が。
高遠くんに見られながらなんて、恥ずかしすぎます。
『何言ってんのよ!恥ずかしさなんてね、試合始まったら飛んでくから!』
「そうかなぁ…。」
そうよ!と言いながらピョンピョン跳ねる華ちゃん。
『雛乃、後方よろしくね!』
「えっ、私が!?」
私もストレッチくらいはしておこうと、軽く体を動かしていると、華ちゃんから後方を命じられた。

