パッと高遠くんの左手から自分の手を離し、高遠くんに謝る。
私…ずっと握ったままだったから、勉強しにくかったんじゃ…?そう思うと、高遠くんに申し訳なさが積もって、謝らずにはいられない。
「ほっ、本当にゴメンなさい!」
『いや、そんなに謝らなくても…。』
心優しい高遠くんは、頭をペコペコと下げて謝る私を笑顔で許してくれるらしい。
本当に器の大きい寛大な人だ。
『別に、嫌じゃなかったし…。』
「……っ!」
高遠くんの小さな声は、静かな部屋では簡単に私の耳に届いてくる。
私からそっぽを向いたまま、耳をほんのり赤く染めた高遠くんを見て、また私の小さな胸がドキドキと高鳴りはじめる。
――どうしよう。高遠くんが可愛く見える…!
つい1ヶ月前までは、身長の高い高遠くんにビビっていたのに、今となっては私より何十センチも大きくて、座ってもその差が縮まらないほど大きい高遠くんが、とても可愛らしく見える。
高いところから見つめられただけで、胸がドキドキして。
目が合っただけで、恥ずかしさに耐えられなくて。
話しかけるのも緊張するのに、ふと笑う高遠くんの笑顔とか、優しい言葉とかにいつの間にか緊張はほぐれていて、胸がときめくのを感じずにはいられない。
「あ、あの、高遠くんっ」
『………?』
「きょ、今日…メールしてもいい…っ?」
もっと高遠くんを知りたい。
もっと高遠くんと近づきたい。
もっと高遠くんの傍にいたい。
いつの間にかそんなことを思っていて、何の前触れもなく突拍子もないことを口にしたおかしな私に、高遠くんはハニカミながら"いいよ"と言ってくれた。
そんな高遠くんでさえ、キュンキュンしてしまう私は、重症なのかもしれません…。

