「んん…っ」
ふいに肩がミシミシと痛くなって、夢の中から目を覚ます。
――……??
ボヤける視界と、右手に感じるぬくもりに、ノートに滑らせているシャーペンの音。
眠気眼の私の目に入ってきたのは、真剣な表情でテキストと見つめあっている高遠くん。
私―――っ!!
「っ!!」
『…あ、起きた?』
今まで自分が寝ていたことに気付いた私がガバッと起きると、テキストに向いていた高遠くんの顔がこちらに向く。
ちょっと待って、私…私……っ、高遠くんの方を向いて寝てたよね!?
「ねっ、寝顔!」
『え?』
「み、見た……よね…?」
自分の寝顔を見られてしまったと赤面している私の問いかけに、高遠くんは無言で私から目を逸らした。
そして、頬を赤く染めた高遠くんの表情から察するに、私の寝顔を見たのは確実だった。
はっ、恥ずかしー……///
あまりの羞恥心に高遠くんの顔を見れない私が、視線を横に逸らした瞬間に目に飛んできた私の右手。
「~~~っ!?ごっ、ゴメン!」
『っ、』
あろうことか、寝ている間に私は高遠くんの手を握っていたらしい。
いつ、どうして!?何で高遠くんの手を!?
混乱する頭で、私はますます全身を赤面してしまうのだった。

