『えっ、これ雛乃っ!?かっわいーっ!』
高遠くんとお互いの家族の話をしていると、ふと華ちゃんの大きな声が聞こえて、何事かとお兄ちゃんたちの方へ向くと、お皿は下げられたテーブルの上に見慣れた分厚いアルバム。
――まさか…!!
『この頃は雛乃が保育園のころじゃないかなぁー?』
「なっ、何しとーとッ!?」
お兄ちゃんの手でペラッと捲られたそれは、正真正銘私の小さな時の写真が貼ってあるアルバムだった。
テーブルに置かれたアルバムを、お兄ちゃんを中心に華ちゃんと久松くんが見つめている。
ちょっ…何でそれがここに!?
これ以上私の恥ずかしすぎる写真が詰まったアルバムを見せるわけにはいかない私は、お兄ちゃんの手からガバッとアルバムを取り上げた。
『えー?だって、華ちゃんと宏太くんが雛乃の小さいころの写真が見たいって言うけんさー。』
「なっ…!?もっ、もうダメ!これは閲覧禁止!!」
『雛乃のケチー!』
ケチで結構!
押し入れにアルバムを押し込む私の後ろで、華ちゃんがワーワー言っているが、全部無視。
勝手に見せるなんて…有り得ないっ!と、私はお兄ちゃんに怒り心頭。
「みっ、皆もうお昼ご飯食べ終わったんだから、勉強しよっ!お兄ちゃんも、もう自分の部屋でゲームしとき!」
『えー、もう?もうちょっと休憩しようよー!』
充分休憩したでしょ!?と、駄々をこねる華ちゃんを叱って、空になったお皿5枚とお兄ちゃんを連れて部屋を出た。

