『――ん、美味しい!』
いただきますをして、焼きうどんを頬張った華ちゃんは開口一番、感嘆の意を発した。
『本当?それは良かった。』
『これ、お兄さんが一人で作ったんですか!?』
『うん、そうだよ。』
『すごーいっ!』
人当たりの良い笑顔と対応のお兄ちゃんにすっかり打ち解けたのか、華ちゃんはお兄ちゃんに色々な質問を浴びせていく。
私と兄の年の差はいくらか、どこの大学の何学科か、サークルは何に入っているのか、彼女はいるのか、それはもう私が知っているようなことから知らなかったことまで全部。
そんな華ちゃんとお兄ちゃんの会話を、久松くんも興味深そうに聞いていた。
「…あの、高遠くん。」
『ん?』
隣で黙々と焼きうどんを食べていた高遠くんに、私は恐る恐る声をかけた。
「焼きうどん、おいしい?」
『、うん。美味しいよ。』
私よりもお皿に盛られた焼きうどんが減っていくスピードが遥かに速いところを見て、ホッと安心する。

