勉強を始めて2時間ちょっと。
時刻は12時を過ぎ、ご飯を食べようということになった。
『お待たせー。焼きうどんだよー。』
ガチャッとタイミングを見計らったかのように部屋に入ってきたのはお兄ちゃんと、お母さん。
2人で皆の分の焼きうどんを持ってきてくれていた。
「ありがとー!…あ、こちら、お母さんです。」
『初めましてー。雛乃の母です。いつもボーっとしてる子だけど、仲良くしたってくださいねー。』
「も、もう!お母さんったら…」
人当たりの良い笑顔で挨拶するお母さんに、皆もそれぞれ挨拶をしている。
なんか…私の家族お披露目会みたい…。
勉強道具を片付けて何もないテーブルの上に、焼きうどんが盛られたお皿が5つ置かれる。
ん…?5つ?
「お兄ちゃん、1つ多いっちゃけど…。」
『あ、それ俺の♪』
「…は?」
ニコッとさわやか笑顔で言われても、対応に困る。
……なんでお兄ちゃんの分がここに?

