ふぅ、お兄ちゃんが今日、サークルお休みでよかった、と安堵していると、華ちゃんが徐に口を開いた。
『今のって…何弁?』
「え?――あ。」
気付かずに出てしまっていた博多弁。
やっぱりお兄ちゃん相手だと、抑えることはできなかったようだ。
「ビックリさせてごめんね。私、3年前まで福岡に住んでたんだ。だから…どうしても家では博多弁になっちゃうの。」
『マジ!?』
「うん。」
目の前で驚く3人に、私は苦笑いをした。
こんなに驚かせてしまうなら、先に言っておけばよかったかも。
「もういいでしょ。ちょっと恥ずかしい…。べ、勉強しよっ!」
『え~、もうちょっと雛乃の話聞きたいーっ』
「それはまた今度ね!」
自分に集中している皆の視線に恥ずかしくなって、私は勉強道具を取りだす。
ぶーぶー言っている華ちゃんをなんとか言いくるめて、私達はようやく勉強会を始めたのだった。

