身長差43センチのふたり。




ふぅ、お兄ちゃんが今日、サークルお休みでよかった、と安堵していると、華ちゃんが徐に口を開いた。


『今のって…何弁?』

「え?――あ。」


気付かずに出てしまっていた博多弁。

やっぱりお兄ちゃん相手だと、抑えることはできなかったようだ。


「ビックリさせてごめんね。私、3年前まで福岡に住んでたんだ。だから…どうしても家では博多弁になっちゃうの。」

『マジ!?』

「うん。」


目の前で驚く3人に、私は苦笑いをした。

こんなに驚かせてしまうなら、先に言っておけばよかったかも。


「もういいでしょ。ちょっと恥ずかしい…。べ、勉強しよっ!」

『え~、もうちょっと雛乃の話聞きたいーっ』

「それはまた今度ね!」


自分に集中している皆の視線に恥ずかしくなって、私は勉強道具を取りだす。

ぶーぶー言っている華ちゃんをなんとか言いくるめて、私達はようやく勉強会を始めたのだった。