『ってか、えっちするのに早いも遅いもなくない?好きだから抱き合うし、キスもするし、触れたいから触れる。でしょ?』
「………っ」
恥ずかしげもなくそう言ってのける華ちゃんに、私は何も言えない。
華ちゃんがそんな風に思ってるなんて知らなくて、華ちゃんが私より何倍も大人に見えた。
でも、華ちゃんと私は違う。久松くんと千尋くんだって違うはず。
『…あんまり焦らしちゃダメよ。』
「え…?」
『高遠のことよ。どーせ奥手な雛乃のことなんだから、高遠にキスしかさせてないんでしょ。男は我慢させすぎると他の女に走っちゃうからね?』
「……っ」
ウソだ…
千尋くんに限ってそんなことしない、と思うけど、完全に否定なんてできなかった。
千尋くんだって男の子だもん。しかも、今の歳を考えたら…そういうことに盛んな時期、だよね…?
「そんなぁー…。」
『まっ、頑張んなさい★』
落ち込んでいる私の肩をポンポンと叩く華ちゃんはとても軽快なノリで。
頑張れって…そんな簡単に言うけど、私にとっては人生最大と言ってもいいくらいの一大イベントなわけで。
千尋くんと…なんて、破廉恥すぎて想像すらできない。

