身長差43センチのふたり。





『――いつまでそこにいるつもり?』

「っ!?ちっ、ちひろく――ッ!?」


目の前で過ぎていった出来事に着いていけずに突っ立っていると、ガラリと教室のドアがまた開いて、そこから顔を覗かせた千尋くんにさらに驚いた。

えっ、何で私がここにいるって分かったの!?

私を見つけた千尋くんは、慌てている私の手を掴んで教室の中に私を連れ込んだ。


『盗み聞きなんて悪い子。』

「っ……ちっ、違うよ!?確かにずっとあそこにいたけど、千尋くん達の会話は聞いてないもん…!」


千尋くんの手で閉じられたドアの近くで、私はいたずらっ子の顔をした千尋くんと教室の壁に挟まれていた。

ちょっと…っ、千尋くんの顔が近いんですけど…ッ!?

思わぬ千尋くんとの至近距離に、全く心の準備ができていない私は顔を赤らめるしかない。


『ふーん…?』

「っ、本当だよ!?」


信じて!という思いで千尋くんを見上げると、トンっと私の顔の横に千尋くんの大きな手が置かれた。