身長差43センチのふたり。




――島津さんが千尋くんのいる教室に入って数分が経った。


まだかなぁ…。

閉ざされたドア越しに2人の会話は聞こえないから、今2人がどんな話をしているのか全く分からなくて不安になる。

盗み聞きとかよくないし…、盗み見したいけど、ドアの窓の位置が高くて見えないし…。

何もできない私は、島津さんが出てくるのをじっとドアの傍で待ってることだけだ。


千尋くん…、島津さんの告白にどんな返事を返すんだろう…。


千尋くんのこと、信じててもいいんだよね?と不安を隠せずにいると、教室のドアがガラリと開いた。

っ…!

出てきたのは島津さん。

島津さんの赤い目とバッチリと目が合ってしまう。

どうだったんだろう。

気になるけど何て聞けばいいのか言葉が見つからない私に対して、島津さんが薄い唇を開いた。


『…ごめんなさい。』

「…えっ……?」


今にも消え入りそうな小さな声に、私は下げていた視線を島津さんの方へ向けた。

今…島津さんが謝ってくれた…?