『だから、嫉妬して…最低なことばっかりしちゃった…。本当にゴメン。』
島津が根は悪い奴じゃないってことくらいは分かってる。
でも…、だからって、島津がこれまで雛乃にしてきた過ちを許すことは簡単にできそうになかった。
俺…、意外と心が狭いのかも。
『…チョコももらってくれないの?』
「……うん。俺がチョコをもらう相手は決めてるから。」
『…そう。』
雛乃以外からはチョコをもらうつもりはない。
雛乃以外からもらったチョコなんて、俺には意味がないんだ。
『ねぇ、一つだけ…聞いてもいい?』
「…何?」
差し出していたチョコを持っていた手を下した島津は、徐に口を動かした。
『あの子より先に私が高遠に告白してたら…、私と付き合ってくれてた?』
雛乃より…先に?
島津に言われたことを自分の中で想像してみる。
でもなぜか……島津に告白されてても自分がOKしてるイメージなんて思い描けなかった。

