島津が……俺を…?
ただただ信じられない。
島津は…その可愛らしいルックスからいつも周りからちやほやされてて、俺みたいなのは男としても見られてないんだろうなと思っていたから。
ってゆーか、俺のほうこそ…島津を女としてみたことがなかった。
「……ごめん…。俺、島津の気持ちには応えられない。」
『……っ』
俺と島津の間に気まずい沈黙が流れていく。
差し出されていたチョコは、おずおずと島津の方へ引き寄せられた。
募る罪悪感。
『…正直、高遠の返事は分かってたの。』
「え…?」
『だって、高遠の目にはいつもあの子しか映ってないんだもん。』
島津の"あの子"というフレーズに、雛乃の微笑んだ姿が思い浮かんでくる。
…そうだな。俺はいつだって雛乃しか見てない。
雛乃に夢中で、他の女になんか目も行かないくらいに。

