「あのさ…、俺島津に何かしたか?」
『え…?』
雛乃は島津と面識はなかったはずだ。
だったら、中学から顔見知りである俺に原因があるかもしれないと思った。
中学の時は話したこともないし…、俺が島津に何かやらかしたのなら高校に入ってからだと思うんだけど――…
『ち、違うの…!』
「・・・?」
これまでの島津とのやり取りを思い出そうとしていると、島津が俺との距離を一気に詰めてきて少し驚いた。
な、何だ…?
『こっ、これ…!』
ずいっと差し出された花柄のラッピング袋。
これって…――チョコ…?
『高遠が、好きなの…ッ!』
「っ!?」
想像を超えた展開に、俺は目を丸くして差し出されたチョコを驚きの目で見つめた。

