『高遠の筆箱に付いてたお守り、勝手に盗んだの私なのっ…!それに私…っ、小日向さんに色々酷いこと言っちゃって…2人の仲を無理矢理引き裂かせるようなことして…ごめんなさい!』
「っ……!」
やっぱり、島津が…。
無意識に力を込めた拳が震える。
雛乃と仲直りすることができたから良かったものの…、島津の策略通りにハマっていたら俺は一発コイツを殴ってたかもしれない。
まぁ、女相手だし、…たとえそんなことをしてしまったら雛乃が泣くだろうから、そんなことしないけど。
「頭上げろよ…。」
気を抜いたら露わになりそうな怒りをどうにか心の中に押し込んでいると、頭を下げていた島津がゆっくりと頭を上げた。
「俺はいいんだ。でも…雛乃はすごく傷ついてる。謝るなら…雛乃にしてくんない?」
『……っ、』
俺の言葉に、島津の視線が下がる。
でもだいたい…、島津はなんであんなことをしたんだ?

