身長差43センチのふたり。





華ちゃん、頑張って…!

見えなくなった2人の姿を想像しながら、どうか華ちゃんの想いが久松くんに伝わりますようにと願った。


『――雛乃。』

「っ!?」


背後からかかった声に私の身体はビックリして跳ね上がった。


『ご、ゴメン。そんな驚かせた…?』

「いっ、いや…!大丈夫…っ!」


ひょっこりと私の方に顔を見せた千尋くんに、私の心臓はドキドキのボルテージを上げていく。

やばい…っ!華ちゃんの応援なんてしてる場合じゃなかった…!

カバンの中には、まだ千尋くんに渡せていない生チョコ。

本当にいつ渡そう…っ?


『帰ろ?』

「う、うん…!あ、でも…先にお手洗い行ってきてもいい…?」


とりあえず落ち着かなきゃ。

このままじゃチョコが渡せないと思った私は、いいよと言ってくれた千尋くんに背を向けて、お手洗いに走った。