身長差43センチのふたり。




――次の日。

バレンタインデー当日。


『どうしよう、雛乃…!もう学校終わっちゃった…!』


私も華ちゃんもチョコを渡せないまま迎えてしまった放課後。

渡すタイミングを完全に見失った、と華ちゃんはもう涙目になってる。


「これはもう帰り道に渡すしかないよ!」

『えっ』

「あ!ほら、久松くん帰っちゃうよ…っ!」

『ッ!』


2人で焦ってる場合じゃない。

1人で帰ろうとしている久松くんを追いかけるようにと、私は華ちゃんの背中を押した。


「頑張って!」

『…っ、うん!頑張ってくる…!』


渡す決意をしたゆるぎない瞳を私に向けた華ちゃんは、教室を出ていく久松くんを追いかけていった。