身長差43センチのふたり。





「華ちゃんのチョコは、こっちね!」

『あっ、ありがとー!』


私と色違いのボウルを華ちゃんに差し出す。

私と華ちゃんは同じ生チョコを作るけど、チョコの糖度が違うんだ。

千尋くんは甘いものは比較的大丈夫なんだけど、久松くんは甘いものがニガテらしく、一般的な板チョコで生チョコを作る私に対して、華ちゃんの使うチョコはカカオ70%の苦めのチョコ。

間違って私の分と華ちゃんの分を一緒にしちゃったら、久松くんに渡せなくなっちゃう。


「えっと、まずは…チョコを細かく刻む、だって!」

『おっけー!』


必要な材料と道具を揃い終えた私たちは、レシピを見ながらあーでもないこーでもないと談笑しながら生チョコ作りを始めた。


『40分でできるの!?意外と早く終わるじゃん!』

「そうだね!でも…初めて作るから1時間くらいかかっちゃうんじゃない?」

『…そうね、期待しないでおくわ。』


温めた生クリームと刻んだチョコをボウルに入れてチョコが溶けてクリーム状になるまで混ぜながら、2人で苦笑いをこぼした。

甘いチョコの匂いに包まれて幸せな気分に浸りながら生チョコ作りを楽しんだ。