あーもう!何でこうなるんだよ…!?
図書委員の雑用のせいで雛乃と帰れなかった苛立ちと、まだ雛乃とのわだかまりが残っている苛立ちが相乗効果で俺をよりイライラさせていた。
『高遠?何そんなイラついてんの?』
「あ…?」
昨日、下書きを完成させて、ペン入れをしておくと言ってくれていた島津だったが、忙しくて家でできなかったらしく、図書室でボールペンで原稿を作っていた。
俺のイライラを察したのか、島津が不思議そうに俺を見つめている。
「…島津には関係ないことだから。」
『えー?何それー?』
ブーブー口を尖らせている島津に、俺は何のフォローもしない。
俺のそっけない態度にプリプリと怒っているようだったが、俺は原稿の仕上げに集中した。
『何?このお守りー。』
原稿の完成間近、隣で暇そうにしていた島津が俺の筆箱に付いていたお守りに興味を示した。

