身長差43センチのふたり。




「俺がそんなことするわけねーだろっ!」

『俺に怒んなよ。』


っ……。

俺が浮気なんて、するわけがない。

雛乃が好きで、好きで、大好きで。大切に思いすぎてうかつに手も出せねぇってのに。

何で俺が浮気してる、なんて根も葉もないウソを信じてるんだよ…?


『今はおとなしくしとけ。』

「っ、何でだよ、俺はっ…!」

『小日向の気持ちも考えろよ!』

「っ・・・」


久松の一言に、息が止まりそうになった。

雛乃の気持ち…?

俺が浮気していると思った雛乃は、どんな気持ちを持ったのだろうか。

そう思うと、心がギューッと苦しくなった。


『小日向は今、お前と離れて精一杯心の整理をつけようとしてんだよ。一生懸命冷静になろうとしてんだから、お前も一回冷静になれ。』


もっともなことを言う久松にぐうの音も出ない。

久松によって、かあっと血が上った頭を一気に冷やされた気がした。