『お前、小日向に何したわけ?』
「…さぁ。」
『さぁって…ふざけんなよ。』
「ふざけてねーよ。」
断じてふざけてはいない。ふざけるつもりなんてない。
俺はこんなに悩んでるんだから。
俺が何もしていないというのなら、何で雛乃は俺を避けるんだよ。
俺を避ける理由を教えてほしいのに、今日はずっと雛乃に近づくと柴戸に邪魔されて、朝以降まともに雛乃と話せていない。
不完全燃焼がこんなにも気持ち悪いもんなんて知らなかった。
『いつまでもこうじゃ困るんだよ。華と一緒にいる時間が減るだろーが。』
「俺だって何とかしたいんだ。でも…雛乃が俺を拒否ってんだから仕方ねーだろ?」
久松の豪快な舌打ちをなかったかのように丸無視。
俺だってイラついてるんだ。…自分自身に。
何で雛乃がこんなになるまで気づけなかった?雛乃のことならずっと見てきたつもりなのに。
――あぁ、そう考えると途端に自信が減るじゃねーか…。

