身長差43センチのふたり。




『お前、小日向に何したわけ?』

「…さぁ。」

『さぁって…ふざけんなよ。』

「ふざけてねーよ。」


断じてふざけてはいない。ふざけるつもりなんてない。

俺はこんなに悩んでるんだから。

俺が何もしていないというのなら、何で雛乃は俺を避けるんだよ。

俺を避ける理由を教えてほしいのに、今日はずっと雛乃に近づくと柴戸に邪魔されて、朝以降まともに雛乃と話せていない。

不完全燃焼がこんなにも気持ち悪いもんなんて知らなかった。


『いつまでもこうじゃ困るんだよ。華と一緒にいる時間が減るだろーが。』

「俺だって何とかしたいんだ。でも…雛乃が俺を拒否ってんだから仕方ねーだろ?」


久松の豪快な舌打ちをなかったかのように丸無視。

俺だってイラついてるんだ。…自分自身に。

何で雛乃がこんなになるまで気づけなかった?雛乃のことならずっと見てきたつもりなのに。

――あぁ、そう考えると途端に自信が減るじゃねーか…。