身長差43センチのふたり。




好きな人の幸福を願うべきだと、よく見るドラマでは言うけれど。

今の私に、千尋くんの幸せを一番に…なんてことは考えられなくて。


「千尋くんとはしばらく距離を置こうと思ってる。」

『それって…高遠と別れるつもりってこと?』

「……最終的には、そうなるかも。」


"別れる"

華ちゃんから言われるまで頭に浮かんでこなかったワードにハッとした。

…そっか、千尋くんの幸せを考えたら、別れることが必然になるんだ――…。


『高遠から直接聞いたほうがいいよ、絶対。』

「…うん、わかってる。でも…今は無理、かな…。千尋くんの気持ちを受け止める自信がないから…。」


力なく笑って見せた。

そんな私を見た華ちゃんは、戸惑いを隠せないようで、眉間にしわを寄せている。


「…そんな顔しないでよ。ちゃんと話し合うから。…いつになるかはわからないけど。」

『それならいいけど…。』

「だからさ、華ちゃん。」


無理矢理にでも私の言葉を飲み込んでくれた華ちゃんに、私はある頼みごとをした。