部外者が何言ってんの?とか、何も知らないくせに生意気!とか、ブツブツ言う華ちゃんのおかげで、心の痛みがちょっと引いていく。
人に打ち明けるだけで、こんなに心が軽くなるなんて。
私の代わりに華ちゃんが言ってくれてるからいいや、と思った。
『高遠はそのこと…知らないんだよね?』
「…うん。」
『言うの?』
「言わないよ。」
何でっ!?と取り乱す華ちゃんに、苦笑いを浮かべた。
華ちゃんはきっと私のことを想って、そんな風に怒ってくれてるんだよね。
その気持ちだけで十分だと思った。
「言ってもどうにもならないでしょ?それに…、今は千尋くんのそばにいられないよ。」
『…何で?』
「こんな私、千尋くんに知られたくない…。嫌われたくないの。…バカみたいでしょ?千尋くんと島津さんはお似合いだって思ってるのに、まだ千尋くんのこと諦めきれないんだ…。」
持っていたシャーペンに加える力が強くなる。
私も千尋くんみたいに寛大な人になりたい。

