身長差43センチのふたり。




部外者が何言ってんの?とか、何も知らないくせに生意気!とか、ブツブツ言う華ちゃんのおかげで、心の痛みがちょっと引いていく。

人に打ち明けるだけで、こんなに心が軽くなるなんて。

私の代わりに華ちゃんが言ってくれてるからいいや、と思った。


『高遠はそのこと…知らないんだよね?』

「…うん。」

『言うの?』

「言わないよ。」


何でっ!?と取り乱す華ちゃんに、苦笑いを浮かべた。

華ちゃんはきっと私のことを想って、そんな風に怒ってくれてるんだよね。

その気持ちだけで十分だと思った。


「言ってもどうにもならないでしょ?それに…、今は千尋くんのそばにいられないよ。」

『…何で?』

「こんな私、千尋くんに知られたくない…。嫌われたくないの。…バカみたいでしょ?千尋くんと島津さんはお似合いだって思ってるのに、まだ千尋くんのこと諦めきれないんだ…。」


持っていたシャーペンに加える力が強くなる。

私も千尋くんみたいに寛大な人になりたい。