久しぶりの再会をした私と朱莉に気を遣ってくれたのか、お盆を私に渡したお母さんはさっさと部屋から出て行った。
「ん、美味しい…!」
『博多のシンボルやけんねっ!』
久方ぶりの通りもんの懐かしい味に、頬を緩ませずにはいられない。
福岡に住んでた時はそんなにしょっちゅう通りもんを食べてたわけじゃないんだけど、こっちに上京してきたら無性に食べたくなる。
「……っていうか、皆は元気にしてる?」
『んー?まぁね、高校違うからあんまり会えないけど、この前の夏も皆で集まって花火大会とか行ったよー!』
「え、いいなぁ~」
3年の時が過ぎて、皆はどうしてるんだろう。
花火大会の時のことを面白おかしく話してくれる朱莉の話を聞きながら、写真に写る皆の今の顔を想像していたのだった。

