身長差43センチのふたり。




『雛乃はその千尋くんって人のことが、大好きったいね~っ!』

「っ…その、声が大きいって…!」


気づけば私のマンション前。

朱莉は無駄に声が大きいし、よく通る声質をしているんだから、そんなに堂々と言わないでほしい。

下手したら、家にいるお母さんとお兄ちゃんに聞こえちゃう。


『そんな照れなさんなってぇ~』

「ほっ、ほら着いたよ!」

『えっ、もう?』


私をからかっていた朱莉は、驚いたように私のマンションを見上げた。

ここが雛乃の新居かぁ~なんて、しみじみと言う朱莉の腕を引っ張って、私はマンションの中に入った。