身長差43センチのふたり。




『どんな人?写真ないとっ?写真ーっ!』

「なっ、ないよ!」


駅を出て、私の家まで歩きながら、朱莉は千尋くんの容姿がとても気になる様子。

千尋くんの写真なんて、持ってない。

プリクラくらい撮りなさいよ!と怒る朱莉に、ゴメンゴメンと謝っておく。

千尋くんとプリクラ…?そんなの、恥ずかしすぎてできるわけないじゃん。赤面してばっかで、きっとまともに笑顔も作れないよ。


『えー?じゃあ、雛乃の口からでもいいけん、どんな人か言ってみ!』

「え…っとー…、」


嫌だ、という拒否の言葉は、口から出る直前に飲み込んだ。

朱莉のえくぼのない笑顔を前にしたら、私はいつだって朱莉には逆らえなくなっちゃうのだ。


「背が高くて、格好良くて、頼りがいがあって、心が広くて、優しくて、でも…ちょっと意地悪、かな?」

『ふ~ん…っ?』

「なっ、何よー…?」

『顔が赤いよ、雛乃っ♪』


そうさせたのは朱莉じゃない!と思うけど、口に出して言えず。

言ったらきっと、倍返しで返ってくるはず。