身長差43センチのふたり。




――新年。


『雛乃ーーっ!!』


いくつもの新幹線が集まる東京駅のホーム。

年が明けて、混雑する人ごみの中、白のキャリーバックをゴロゴロと転がし、こちらに走ってやってくる女の子。


「朱莉!」

『久しぶり~~っ!!』


ドンッと言いそうなくらいの勢いで私に飛びつく朱莉は、福岡に住んでいた時の親友。

冬休みを利用して、わざわざ上京してくれたのだ。


「久しぶり!長い時間ご苦労様!」

『何言ってんのっ!雛乃に会うためだったら、こんなもんちょちょいのちょいやってぇ~っ』


えくぼを浮かばせた朱莉の笑顔を久しぶりに見て、気分が高揚する。

場所は東京なのに、朱莉の顔を見ただけで福岡に戻ったみたいだ。