今年に入って初めての雪。
初めて過ごす大好きな人とのクリスマスは、忘れられないホワイトクリスマスになっていく。
「きれーい…!」
『そうだな、道理で寒いわけだ…。』
さらに密着した腕。
福岡にいたときには中々見ることのできない雪に、私は感動する。
ホワイトクリスマスって、現実にあるんだ。
私たちに舞い降りては溶けていく雪は、まるで私と千尋くんを心から見守ってくれているようだった。
雪を降らせている夜空を仰ぐ千尋くんをチラリ、と見た私は、開けたままのバッグに片手を突っ込んだ。
バッグのポケットから取り出したのは、スカイブルーとホワイトの刺繍糸で編み込んだ特製ミサンガ。
『っ……?』
冬休みに入って毎日少しずつ丁寧に編み込んだミサンガを、高遠くんの左手首に巻き付けた。
「メリークリスマス、ね?」
『……っ、』
水族館で千尋くんからブレスレットをもらった時のお返し、とでも言うように笑顔を向けた。

