――クリスマスデートを終えた帰り道。
すっかり日も落ちて辺りは真っ暗。
ひんやりと肌を突き刺すような寒さに体が震えた。
『楽しかったな。』
「…うん、楽しかった。」
なんで楽しい時間ってこんなにも早く終わっちゃうんだろう。
私のマンションに着いたら、もう千尋くんとサヨナラしなくちゃいけないと思うと、私の家がもっと遠ければいいのにと思う。
私の家が遠いところにあったら、もうちょっと千尋くんと一緒にいられるのに。
はぁーっと吐いた軽い溜め息は白かった。
「――千尋くん。」
『ん…?』
数メートル先の角を曲がったら私のマンションに着いちゃう。
まだクラゲのストラップも、用意してたクリスマスプレゼントも渡せていないのに。
「寄り道しよ…っ?」
ここしか渡すタイミングはないと考えた私は、握っていた千尋くんの右手を引っ張った。

