『…雛乃は、宏太の口から聞いたことないからそんなこと言えるんだよ。』
「え？」
『だって、妹だよ？無理でしょ。宏太の眼中にも入ってないよ・・・。』
「でも、それだと一生久松くんと恋人になんてなれないよ。」
私の言葉が効いたのか、華ちゃんはそのあとピッタリと何も言わなくなってしまった。
確かに、華ちゃんの場合は一度失恋もどきを経験しちゃってるから、中々一歩を踏み出せないのかもしれない。
でも、それじゃダメな気がする。きっと2人は両想いのはずだから。
久松くんの態度は、絶対妹にする態度とは明らかに違う。華ちゃんが好きだから、手も握るしちょっかいも出しちゃうんだと思う。
「華ちゃんはもうちょっと自分に自信持ったほうがいいよ。」
『自信…？』
「うん。華ちゃんからいかないと、久松くんは動いてくれないよ。」
きっと、久松くんは華ちゃんから想いを伝えてくれることを待ってるんだと思う。
私のただの勘だけど、そんな気がしてならないんだ。
