『――要するに、その時雛乃がヤキモチ焼いて高遠にツンツンしなかったら、高遠は告白しなかったわけでしょ?』
「ツンツンって…。」
華ちゃんの豊かな表現に、私は苦笑い。
確かにあの時高遠くんに冷たい態度をとってしまったけど、そんなに角がたっていたかな?
うーん…あの時は悲しくて苦しくて、高遠くんから離れることに必死だったからよく覚えていない。
その時口に入れたショートケーキの生クリームが、ちょっと甘ったらしく感じた。
『だってそうじゃん。好きって言ったのは高遠が先かもしれないけど、雛乃も好きって態度出しまくってたわけだしね?』
「っ……も、もういいでしょっ?この話は終わり!」
『えーっ、何でよ~!?』
あまりの恥ずかしさに、話を強制終了させる。
どうしても高遠くんが絡んでくると頬を赤くさせずにはいられなくて、いつだって照れちゃうから困る。
高遠くんの姿を思い出すだけで、心の奥がきゅぅぅっと締め付けられる。
「私は、華ちゃんと久松くんのことの方が気になるなぁ~。」
『なっ、何でそんな楽しそうな顔してんのよっ!』
形勢逆転。
久松くんの話になるとすっかり声が小さくなって口を尖らせる華ちゃんを見て、ふふふと口元を緩めた。

