身長差43センチのふたり。




「うん…。島津さんが教室に来て、高遠くんと楽しそうに話してるの見てね、…嫉妬、しちゃってさ…。」

『うわ…、なんてベタな…。』


口を押さえて目を丸くしてこちらを見る華ちゃんに、私の顔は俯いていく。

そう言われると思ったから嫌だったのにー…。

でもここまで言ってしまったら、続きを言わないわけにはいかない。


「そのヤキモチを隠し切れなくて…、泣いちゃったの。」

『えぇっ!?』


あれから時間が経って思い出してみると、あの時のシチュエーションはまるで少女漫画のような世界。

あの時の私は目の前で起こった現実に振り回されていて、心が感じたままに体が動いちゃってた。

あそこで泣くなんて…、私はなんて弱虫なんだろう。


「そしたら、高遠くんが慰めてくれて……好きって言ってくれたの。」

『ふ~ん…。まぁ、キッカケは雛乃ってことか。』

「う――えっ?」


頷きかけて止まる。

キッカケって…?何のキッカケ?

一通りの件を聞いて満足したのか、華ちゃんは脇に置いていたお皿を目の前に移動させて、ケーキを食べるのを再開していた。