身長差43センチのふたり。




「おっきいなぁと思って…つい、」

『つい触っちゃった?』

「っ……ごめんなさい。」


穴があれば入りたいというのはこういうことだと思った。

唇を噛んで俯く私に、ふっと影が掛かる。

それに気づいて、ちょっと顔を上げた瞬間に、頬にチュッと触れた高遠くんの唇。


「っ――!!///」


ほっぺにチューされたことに固まった私に、高遠くんはしてやったりという満足げな顔を向ける。

今のって………!

言葉にならないこの気持ち、このときめき。

ほっぺにチューなんて、恋人同士だったら当たり前のことなんだろうけど、私にとっては息が止まりそうなくらい一大事で。


『俺は謝らないから。』

「……っ、」


私の心を鷲掴みにして離してくれない高遠くんを、ただただズルいと思った。