「おっきいなぁと思って…つい、」
『つい触っちゃった?』
「っ……ごめんなさい。」
穴があれば入りたいというのはこういうことだと思った。
唇を噛んで俯く私に、ふっと影が掛かる。
それに気づいて、ちょっと顔を上げた瞬間に、頬にチュッと触れた高遠くんの唇。
「っ――!!///」
ほっぺにチューされたことに固まった私に、高遠くんはしてやったりという満足げな顔を向ける。
今のって………!
言葉にならないこの気持ち、このときめき。
ほっぺにチューなんて、恋人同士だったら当たり前のことなんだろうけど、私にとっては息が止まりそうなくらい一大事で。
『俺は謝らないから。』
「……っ、」
私の心を鷲掴みにして離してくれない高遠くんを、ただただズルいと思った。

