放課後、誰もいない教室で勉強を始めて1時間。
ずっと勉強していた数学に区切りをつけて、隣の席に目を向けると…、
「……っ、」
机に俯せになっている高遠くん。
「高遠くん…?」
恐る恐る高遠くんの肩を叩いてみるけど、何も動じないところを見て、寝てることに気付いた。
疲れたのかな…?苦手な英語、頑張ってやってたもんね。
寝顔が見れないのがちょっと残念に思いつつも、微笑みながら眠っている高遠くんを見つめてしまう。
ふと目に入ったのは、机の上で組まれている高遠くんの腕。腕が長いからか、高遠くんの大きい左手が机からはみ出ちゃってる。
うわー…爪おっきいなー…。
高遠くんの手をマジマジと見つめて、そろーっと高遠くんの手に自分の手を近づけてみる。
おおう、指長っ…!
「っ、!?」
ピタリ、と高遠くんの手と自分の手を隣り合わせにくっつけた瞬間、今まで微動だにしなかった高遠くんの手が私の手を絡め取った。

