身長差43センチのふたり。




『――お返し。』

「っ!」


差し出された卵焼き。

高遠くんの箸でつままれた卵焼きが、唇にピトッとくっついて、おもむろに口を開いた。


『どう?』

「――美味しい、です。」

『だろ?』


高遠くんからもらった卵焼きは甘くて。

モグモグと卵焼きを食べながら、見上げた高遠くんの横顔は、いつもよりちょっぴり眩しく見えた。

あーんしてもらって食べる卵焼きも、悪くない。


『今日、一緒に帰る?』

「うんっ…あ、でも、ちょっと勉強して帰ろうかな。」

『……じゃあ、俺も。』


一緒に残ってくれるの?と言うと、当たり前のように頷いてくれた高遠くんに、自然と頬が緩まるのを抑えられなかった。