『雛乃、ひーなーのっ?』
「やっ、ダメ…!」
未だに顔を両手で隠している私の手を、ツンツンと人差し指で突いてくる高遠くんを嫌々と拒否をする。
まだ赤面してるんだから、一時放っておいてほしいのに。
なんだか、昨日から高遠くんは私にとても甘い気がする。
『ダメじゃないから、』
「っ、」
『こっち向いて。』
高遠くんのちょっと強引な右手で、顔に当てていた左手を掴まれて顔から引っぺがされてしまって、私は仕方なく高遠くんに顔を向けた。
そこには口元を緩めて私を見つめる高遠くん。
掴まれた左手が…熱い。
視線が絡まって、余計に私の心臓はドキドキと拍動を加速させた。

