今の…、今のって…っ!
か…っ、間接キス――…っっ
『雛乃、照れすぎ。』
「っだって……ッ!」
気を抜いたら全身の力が抜けて、右手に持つ箸が落ちちゃう。
持っている箸をプルプルと震えさせながら、私はちょっと意地悪な笑みを浮かべている高遠くんと箸を交互に見る。
あれって、あーん…したってこと…だよね!?
「高遠くんのばかぁ…っ」
『雛乃のかわいい顔、頂きました♪』
プシュー…ッ、と顔から蒸気が出そうなくらい真っ赤な私は、これ以上こんな恥ずかしい顔を晒したくなくて、箸を持ったまま両手で顔を覆う。
そんな私を見て、高遠くんはとても楽しそう。
こんな…心臓が耐えらんないよっ…!
可愛い可愛いと、さらに私を赤面させる言葉を浴びせてくる高遠くんの横で、私は中々顔を上げられない。
全然引いてくれない顔に集まる熱に、私はどうしようもできないでいた。

