いつ帰ったのか、なんて本人がいない今考えたって意味はない。
ガチャッ
『千尋、起きたー?』
「……姉貴。」
汗を掻いたからか喉が渇いていた俺は、有り難く小日向が買ってくれたスポーツドリンクで喉を潤す。
小日向が俺のことを考えて買ってきてくれたと思うと、飲んだことのあるこのスポーツドリンクがこの上なく特別で美味しく思えてしまう。
小さな幸せに浸っていると、ノックもせずに入ってきた姉貴。
『…顔赤いけど、まだ熱あんの?』
「えっ…!?」
姉貴に指摘されて咄嗟に頬に顔を当てる俺に、姉貴がフーン♪と冷ややかな視線を俺に向けた。
「な、なんだよ…?」
『べっつにー?』
「っ……」
勝ち誇ったようなニヤつき顔で何でもないと言われても、説得力に欠ける。
姉貴がこんな顔をするときは、大概とんでもないことを考えているのだから。

