違うドキドキを感じつつ、お姉さんにゼリーの入った袋を差し出すと、お姉さんはやっと私を離してくれた。
久松くんから、柑橘系の食べ物が高遠くんは好きだと聞いてコンビニで買ったオレンジゼリー。
一つじゃ足らないかなぁ、と思ったから3つ。
「高遠くんが起きたら、差し上げてください。」
『ありがとーっ!』
「いえ!では…私はこれで。」
玄関まで着いてきてくれて、気を付けて帰ってね~と笑顔で手を振ってくれるお姉さんにお辞儀をして、高遠くんの家を出た。
明かりのついた2階の部屋の窓を見上げて、おやすみなさい、と心で呟いた私は、ゆっくりと家路についた。
――「ただいまー。」
『おかえりー。遅かったやん?』
家に帰ると、お兄ちゃんがキッチンに立ってご飯を作っていた。
お母さんはまだ仕事から帰っていないみたい。
「うん。今日、友達が風邪ひいたって聞いたけん、差し入れしに行っとったー。」
『そうなん?お大事にって言っとってな。』
「ふふっ、もう遅いやろ。」
相手が高遠くんで、しかも一人で行ったとは言えなかった。
お兄ちゃんは私にちょっと過保護なところがあるし、特別なことをしたわけでもないし。
勉強してくるーとお兄ちゃんに伝えて、私は部屋にこもった。

