あまりの熱を孕んだ手に掴まれた私は、ゆっくりと振り返ると、熱に浮かされて潤んだ高遠くんの瞳とぶつかった。
ドクン…ッ、と一際大きく私の心臓が拍動する。
「た…っ、高遠くん…?」
高遠くんが横を向いたためにおでこに乗せていた濡れタオルが早くも高遠くんの頭の横に落ちている。
ベッド横に移動して、落ちた濡れタオルを手にすると、高遠くんのおでこに触れていた面は常温になっていて、反対側の面を高遠くんのおでこに当ててあげる。
その間も、高遠くんは私を見つめたまま、掴んだ私の左手首を離そうとはしなかった。
「どうしたの?」
『離したら…、小日向帰るだろ…っ?』
「っ!」
高遠くんの手を離そうと、高遠くんの手に右手を添えると、あまり強くない力でキュッと掴まれる。
私を離そうとしない高遠くんは、ちょっと子どもみたいで。
風邪を引いて辛そうにしている高遠くんを、不謹慎にも可愛いと思ってしまった。
「……まだ帰らないから、大丈夫だよ。」
『本当に…?』
「うん、本当。」
帰らない、と言うと緩まった私を掴む高遠くんの熱い手をゆっくりとはがして、右手で高遠くんの手を握る。
「ずっとこうしてるから、安心して寝てていいよ。」
ベッド横に座り込んで、高遠くんの手を両手で包んであげると、高遠くんはホッとしたように目を閉じて眠った。

