「本当は久松くんと華ちゃんもいればよかったんだけど、2人とも用事があるみたいで。ゴメンね…?何の連絡もなく押しかけちゃって。」
未だ驚いたままの高遠くんのいるベッドの横に正座する。
うわ……ここが高遠くんの部屋…。
チラッと周りを見渡して、モノクロトーンで統一された部屋はとても高遠くんらしかった。
『いや…、ありがと。』
「あっ、横になってて?まだキツいでしょ?」
熱を持った身体を起こすのはとてもキツいことくらい分かっていたから、高遠くんの背中と肩に手を添えて、そっと高遠くんをベッドに横たえさせる。
あ、濡れタオル。
高遠くんの頭の横に落ちていた濡れタオルを発見して手に取ると、それは高遠くんの熱を吸収したからか温かかった。
冷却効果のない濡れタオルを氷水に浸し、横になった高遠くんのおでこに右手を当てる。
『っ、』
「んー…まだ熱あるね。さっき熱計ったりした?」
私の手が元々冷たいから余計に熱く感じちゃうのかもしれないけど、自分の体温と比べてみても高遠くんは熱い。
まだ計ってない、という高遠くんに体温計のある場所を聞いて、体温計を手にした私は今計るように高遠くんに渡した。

