――「え?…休み…?」
クラスマッチから1週間がたち、再来週には冬休みの補習がかかっている期末テストが待っているある日の金曜日。
いつも通りに教室に登校した私に、華ちゃんと久松くんから"高遠くんが今日は学校を休む"ことを伝えられた。
「どうして?…病気?」
『おう。昨日から熱でぶっ倒れて、今38℃あるらしい。』
「38℃っ…!?」
予想の上をいく高い数値に私は驚く。
今は11月下旬。来週には12月だし、外はもうすっかり冷え込んでいるし、風邪をひきやすい季節だけど…。
38℃は高すぎなんじゃ…大丈夫かなぁ?高遠くん…。と、とても心配になる。
『まっ、インフルじゃないだけマシだけどな。』
「あ…、そうなんだ?」
久松くんから手渡された携帯電話の画面には、久松くん宛ての高遠くんからのメールが映し出されていた。
そこには、風邪で38℃もあって今日は学校を休むと言うもの。
華ちゃんはバカも風邪をひくんだーと言って、久松くんにお前もだろ、と軽く叩かれていた。
『それでさ、小日向。』
「ん…?」
ありがと、と携帯電話を久松くんに渡した私に、久松くんは受け取りながら、あまり人には向けない笑顔で口を開いた。

