「高遠くんもバレー上手いねっ!」
『…そう?背が高いから、やりやすいだけだって。』
首の後ろに手を当てて恥ずかしそうにしている高遠くんを見上げて、私も笑いを零す。
高遠くんのチームの試合は私の試合とほとんど被ってしまっていて、1回しか見れなかったけど、高遠くんがアタックする姿はとても格好良かった。
ブロックも上手だったし、サーブもコートラインギリギリに落とすし、すごく上手で。
私は一瞬でバレーをする高遠くんの姿に魅了された。
「……格好良かった。」
『えっ?』
ポツリ、と口から出てしまった言葉。
抑えられなかった言葉は、高遠くんの耳にもちゃんと聞こえていたようで、目を見開いて私を見つめている。
無意識に心の声を表に出してしまった私は、とても恥ずかしくなって俯いて歩くスピードを速めた。
あーもうっ、私のバカ!これじゃぁ、高遠くんに私の気持ち、バレちゃうじゃん!
『…俺も思う。』
「えっ…?」
後ろから聞こえた高遠くんの声に、私は遠慮がちに振り返った。
『試合の時の小日向、格好良いと思うし、……俺は好きだよ。』
「……っっ」
驚いて固まってしまう私から目を逸らした高遠くんは、ほんのりと頬を赤く染めていて、つられた私は高遠くんの倍以上に赤面してしまった。

