ガラッ
「失礼しましたー…。」
とりあえずテーピングして左足首を固定した私は、高遠くんと一緒に誰もいない保健室を後にする。
ちゃんと先生の机の上に、テープを使わせていただきましたと言うメモ書きを添えて。
『次、決勝?』
「うん。」
私がケガをしているからか、歩幅が小さいからか、高遠くんが私に歩くペースを合わせてくれている喜びを噛み締めて、高遠くんに笑顔を向ける。
次は決勝。テーピングもしたし、試合に支障はない…はず。
『小日向、バトミントン上手いよな。』
「そっ、そんなことないよっ!ただ…中学の時にバトミントン部に入ってたから。」
『あ、そうなんだ?……福岡でも?』
「うっ、うん!」
バトミントンは好きで、上京しても部活には入った。
高校に入ってからは、中学の時よりも練習が長くて帰るのが遅いっていうことでバトミントン部には入らなかったけど。

