「俺、ここに傷があるんだよ。」 燕は、改めて 前髪を手で上げた。 いつも燕が隠しているところにちょうど大きな傷があった。 「これ、鉄パイプで殴られた後でさー……。 俺が小学校 通ってたくらいの時に、父親の勤めてた会社が倒産してさ、父親まで 借金背負うことなって……毎日 怖い顔したおっさんとか、家来るし、そういう人相手に頭下げてる両親みてたんだわ。